カイン

港町の青年。寡黙で無気力、陰気な性格の若者。王国で唯一の大学を卒業した後、士業を探している。町の料理店の息子・ダニーロと夜な夜な浜辺の廃船場で酒を飲み時間を潰していたが、偶然にグリオルの違法航海船に乗り込み、冒険の旅へ出ることになる…。

ダニーロ

町の人気料理店の息子。朗らかでユーモアがある若者。カインの幼馴染。幼少期からカインと「船の墓場」を秘密基地にし、そこで拾ったフィドルを愛用している。カインと泥酔し、グリオルの船に乗り合わせ、乗組員として航海に加わることになる…。

グリオル

港町から出航した謎の航海船の船長。冷静沈着な男。失われた技術で駆動する帆船を操作する不思議な鍵「眼晶石」を持っている。謎の生物学者に雇われている。相棒のフリードと血の繋がっていない娘・ジンクと仲間たちと共に「伝説の黄金境」を目指す。

ジンク

幼児期からグリオルとフリードを親代わりとして育った少女。利発ですばしっこい、いたずらっ子。生物学者の助手として働く。第六感が冴えており、動植物と霊的に交信できたことで、黄金境への道標となる。

フリード

航海船の指揮官役。グリオルの相棒。幼少期から船の雑用係などグリオルと共に働いてきた。性格は荒んでいて下品、素面でも饒舌。カインたちを嫌い、厳しくこき使う。

カルマ

航海船の乗組員。船上で医者代わりとして働く。古代に滅びかけた少数民族の血を受け継ぎ、古代語を理解し、黄金境伝説の鍵を持っている。

生物学者

貴族出身の天才。「黄金航海記」の作者。かつて大学教授であったが思想的に排除され、研究職を続ける中で古代に失われた技術を追求し、学会や利益団体からの攻撃を受け暗殺されかける。偶然に使用人として雇ったグリオルを助手とし、黄金境伝説の復活を目指す。

カルチェ

王国の第一王子。文武ともに秀才。国家財政顧問に師事する議員。義侠心があり人民の味方をする「革新派」を擁護し弟・アデルと対立する。少数民族出身の王女を母に持ち、「竜眼」を持たずに生まれ、「不義の子」と噂され排斥されてきた。実は預言書に定義される王家が欲する黄金境の鍵を持つ。

アデル

王国の第二王子。王立海軍士官。冷徹で頭脳明晰。革命派を鎮圧する「保守派」のリーダー。王統の証である竜眼を持ち、対立する兄のカルチェが「不義の子」と揶揄される中、王位を継承すると噂される。実は知られざる王家の秘密を受け継ぎ、黄金境への鍵を持つ兄のカルチェを利用しようとする。

王

プリンスト国王。議会を掌握し、厳しい税制と貴族や利権団体への優遇策で国民の反発を受けている。重病を抱えており、時期国王へ生前退位すると噂される。国民には秘匿している黄金境への鍵を開けようとしている。

グレンダ

第三夫人を母に持つ。カルチェ・アデルとは異母兄妹。王家の冷血な奇習におぞましさを覚えており、内心は王家に反発する。義兄のカルチェが心の支え。

側近

かつてカルチェの母に仕え、カルチェの養育の責任者となった男。移民出身。王家の闇を知り、カルチェを守護してきた。

カルチェの母

ベン

カインの伯父。市議会議員を務める傍ら、災害復興や貧困層の救済活動に力を注いでいた。かつて移民してきたディリアを援助した。画才もあり、秘密裏に「黄金航海記」の挿絵を描いた。カインが10代の頃、何者かによって殺害される。

財政顧問

国家財政顧問の一人を務めるプリンスト大学教授。カルチェの恩師の一人。不明瞭な会計支出を指摘し続け、保守派に命を狙われている。

ディリア

旧市街の学者・民間診療師・フィドルの教師。聖教徒の少数派である原典派の民族に属し、非差別的扱いを受けていた。かつて大学でカルチェを指導したが、排斥され、暴動期に思想犯として収容される。民族が密かに受け継いできた黄金境への鍵を持つ。

アルジーナ

ディリアの一人娘。聡明で勇猛果敢。亡き母に瓜二つ。父を助けて暮らす。カルチェの手引きで暴動で拘束された原典派を収容所から脱出させる。父と共に黄金境への鍵を持ち、グリオルたちの元へ渡る。

マリーベル

生物学者の助手研究者。穏やかで優しい。黄金境への道を追求する。

シェリル

カインの娘。賢く大胆で気丈。自分を虐待してきた母と義父の失踪後、渡航者の補助を受けて黄金境へ渡り父と再会し、旅の仲間に加わる。

ゼオ

近年、黄金境に密かに到達した謎の航海者。を船員見習いとして雇っていた幼少期のグリオルとフリードに、世界の秘密を教える。黄金境への鍵を持っていたが、グリオル達にそれを託し、大嵐の夜に失踪したまま行方知れず。

巨人